Live Schedule
03 25 Sun

女流義太夫 Special Live vol.8
源氏烏帽子折 伏見の里の段

open/start
13:30/14:00
adv/Door
4,000円【先着自由席 / 完全予約制】
artist
竹本駒之助(人間国宝:浄瑠璃)、鶴澤津賀花(三味線)

女流義太夫

義太夫節は、浄瑠璃(語り物の三味線音楽)の一流派です。貞享元年(1684)、大坂の道頓堀に竹
本座を旗揚げした竹本義太夫(1651~1714)によって創始され、人形浄瑠璃だけでなく歌舞伎にも取り
入れられ、大きく発展しました。何人もの登場人物を一人で語り分ける太夫、人物の心情や情景を弾き
分ける三味線、その修行には長い年月が必要で、義太夫節は「音曲の司」(最高位)とされました。
現在、ユネスコ無形文化遺産の人形浄瑠璃文楽や歌舞伎で、男性によって演奏される義太夫節で
すが、江戸時代から座敷や寄席で女性による演奏も行われました。明治中頃には娘義太夫として、今で
言うアイドルのような熱狂的な人気を誇り、明治の文豪たちにも愛されました。
現在では女流義太夫と呼ばれ、定期的に(一社)義太夫協会主催「女流義太夫演奏会」(国立演芸
場・紀尾井ホール・お江戸日本橋亭)、若手演奏会(お江戸上野広小路亭)等を行っています。通常、人
形や役者を伴わない素浄瑠璃という形で演奏しますが、近年では日本舞踊の地方や、八王子車人形、
江戸糸あやつり人形、乙女文楽と共演するなど、活動の場が広がっています。

『源氏烏帽子折』
元禄三年(1690)に大坂竹本座で初演(推定)、近松門左衛門作の時代物です。物語全体は源義経
の伝説が元になっており、先行する幸若舞や能にも「烏帽子折」の作品があります。「伏見の里の段」は
明治・昭和に上演記録がありますが、外題の書き方が様々で、同一曲であるかは定かではありません。
昭和35年新橋演舞場での、四代竹本越路太夫と二代野澤喜左衛門による演奏の録音(CD「義太夫
選集 竹本越路大夫」所収)がありますが、近年文楽での上演は行われていません。平治の乱に敗れた
源義朝の妻子、常盤御前と幼い三兄弟は大和路を逃げ行き、平家の家臣、弥兵平衛宗清は、忠義に心
を縛られながらも常盤親子を見逃がします。段切れでは「源氏の運開くる末こそ目出度けれ」と源氏の
行く末を寿ぐ、大変お目出度い演目です。

「伏見の里の段」
雪が降りしきる中、平家の追っ手から逃れる常盤御前と今若・乙若・牛若の三人の幼子たちは、伏見
の里にたどり着き、灯りの点る家に一夜の宿を乞います。そこは弥平兵衛宗清の忍び妻、白妙の住家で
した。実は白妙は、源氏の忠臣、藤九郎盛長の妹でしたが、宗清の手前、義朝ゆかりの人を泊めがた
い、早く落ち延びるようにと勧めます。親子は軒端をすぐに去ることができず、凍えて倒れる母に子たち
は自らの衣服を脱いで着せかけます。夜半に忍んできた宗清が陰から様子をうかがい、すぐさま常盤親
子の素性を見抜きますが、「流石源氏の根ざしなり」と子たちの姿に心を打たれます。今夜だけは親子
を軒の下においてと嘆願する白妙に、宗清は悩んだ末、彼らを追い払うよう白妙に言いつけ、弓矢を
取って空矢を射ます。その音に驚いた親子は逃げ去って行きました。宗清は、このまま六波羅の役人に
捕らえられれば、清盛公への言い訳がたたないばかりか、助けたいと思う白妙の心も無駄になると諭し
ます。やがて藤九郎が現れ、宗清との対面を望みますが聞き入れられず、宗清は「古栖の雛を飼い育
て、初音を揚よ」と、三人の幼な子の未来を暗示する言葉を与えます。藤九郎は宗清に感謝し、勇んで
東へ下るのでした。

❋プロフィール
◆竹本駒之助(たけもと こまのすけ)

淡路島出身。1949年、大阪にて竹本春駒に入門。文楽の諸師匠方に師事。1952年、二代
鶴澤三生を相三味線に東京で演奏活動を始める。1953年、豊竹つばめ太夫(のちの四代
竹本越路太夫)に師事。1970年、四代竹本越路太夫の女性唯一の門人となる。1980年、重
要無形文化財「義太夫節」総合指定保持者に認定。1996年、第26回モービル音楽賞受
賞。1999年、重要無形文化財「義太夫節浄瑠璃」個人指定保持者(人間国宝)に認定。
2003年、紫綬褒章受章。2008年、旭日小綬章受章。日本伝統文化振興財団よりCD『人間
国宝女流義太夫 竹本駒之助の世界』を発売。2009年、CD『人間国宝女流義太夫 竹本
駒之助の世界』が第64回文化庁芸術祭賞優秀賞(レコード部門)を受賞。2012年、第61回
神奈川文化賞受賞。2014年、ニューヨークジャパンソサイエティ公演に参加。2015年度、京
都市立芸術大学客員教授。同年、第70回文化庁芸術祭賞大賞(音楽部門)受賞。2017年、
文化功労者。義太夫節保存会会長。(一社)義太夫協会理事。

◆鶴澤津賀花(つるざわ つがはな)
福井県出身。武蔵野音楽大学音楽学部音楽学学科卒業。1998年、竹本駒之助に入門。
2001年、国立演芸場にて初舞台。2006年、文化庁新進芸術家国内研修生として三味線を
六代鶴澤燕三に師事。2007年、(一社)義太夫協会新人奨励賞受賞。文化庁芸術団体人
材育成支援事業研修生。2009年、第10回(公財)日本伝統文化振興財団「邦楽技能者
オーディション」合格。2010年、(公財)日本伝統文化振興財団よりCD『女流義太夫三味線
鶴澤津賀花』を発売。2011年、第24回(財)清栄会奨励賞受賞。国立劇場主催「明日をに
なう新進の舞踊・邦楽鑑賞会」に出演。2017年、第38回松尾芸能賞新人賞受賞。